ここからは目黒区内の坂道を捜し歩きます。まず、目黒区の地形を見てみましょう。
目黒区の形は北側に西側に世田谷区、東側に渋谷区に挟まれた突起状となった部分と、東側にほんのちょっと千代田区と接し、南東側は品川区、南は大田区に接している大変変形した形の区です。
この目黒区の形を”Google Earth”で見てみますと、目黒区の北側から南東にかけて西渋谷丘陵が台地を形成し、北西側から南西にかけて荏原台地があります。その間を目黒川が世田谷区の池尻大橋から品川区五反田三丁目の亀の甲橋(この辺が区境になります。)にかけ北西から南東に流れています(この間はほとんど開渠となっており、その流れを容易に追いかけることができます。)。この目黒川に迫る両側の台地は、東渋谷丘陵側は高く(40 m~32m位南東に傾斜している。)、荏原台地側には目黒川に沿って一段低い台地(最高で27m~25m以下)があり、目黒区史にはその低い台地を”目黒台地”と表し、目黒川の流れている低地を”目黒渓谷”としています。目黒区史によりますと、淀橋台地の南西部分にあたる西渋谷丘陵と荏原台地は同じ時代に形成された台地であり(海が隆起してできた神奈川県を走る下末吉台地から千葉県の下総台地までの広大な範囲を形成している地形で、目黒台地は荏原台地などとは異なる時代に形成された新しく比較的平坦な台地となっていると表しています。目黒川から南側の台地へは比較的に緩やかな傾斜となっていて坂道も緩やかに上っています。反対側の斜面は西渋谷丘陵が鋭く立ちはだかり坂道も急坂が多くあります。また、目黒区史では蛇崩川の流れていた範囲を”蛇崩川低地”、立会川の流れていたところを”立会川低地”と表し、そのほかの川の流れていた場所を”九品仏川低地”、”呑川低地”と著しています。ここではその目黒区史内にある地形図(第1図、第2図、第3図を参考にさせていただきました。)をもとに書き込みを入れ、目黒区内の地形を”Google Earth”で表現してみました。また、目黒川にはたくさんの支流が流れ込んでおりそこには段丘があり多くの坂があります。人工の水路(三田用水路、品川用水路)もあり大変起伏にとんだ崖線マニアにはとても興味のある区でもあります。(陰影図には台地名や渓谷名を入れ、主な個所に標高を書き込んでみました。)
 目黒区史には目黒区内の地形に関する記述が大変詳しく載っています。御興味のある方は調べてみてはいかがでしょうか?
 
 目黒区の坂探しは、以下の区分により歩きました。坂のある場所によっては、地域が重複したり、区分に入らない離れた場所に位置する坂もありますが、それらは以下の地域区分内に収めて表示しています(地域が重なる坂に関しては、どちらかの地域に入れてあります。)。また、目黒区の資料によりますといくつかの名前のあった坂が区画整理とともに消滅してしまっているようです。ここではできるだけ昔の資料を探し出し、それをもとに坂道を捜し歩いてそれらしき形跡を見つけ各地域内で紹介してみました。
では目黒区の坂道探しをお楽しみください。 
 
           
 目黒駅周辺
 中目黒駅周辺   
  自由が丘駅周辺
 青葉台周辺
  目黒不動尊周辺
  目黒区の道標 目黒区は江戸郊外として、昔からの道筋もそのままに残されていてその分大変たくさんの石碑が残っています。ここでは道筋や坂に関係した石碑を特集して
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